仕事は母ちゃん

どーってことない脳内と日常の垂れ流しです

選択肢の多い社会に適応できない人達

とある会合の懇親会に出席していたさっこさんですこんにちは。どこのお店で懇親会をしたかはオーナーの意向で言えないんだけど、風光明媚なところですよ。ちょっとお高いですけど、まあ有名人もちょいちょい出入りするところだし、場所代だと思うしかないですね。
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そのオーナーなんですが波瀾万丈な人生を送ってきた人で、やりたいことをとことんやり尽くしてるんですよね。自伝を書いて欲しいなと思うぐらい昔話を聞いてたら面白い。あまり同意できない考え方もあるんですが、自分で考えて自分で行動して自分で責任を持つ、というスタンスが一貫していて、そういうところはとても素晴らしい人だなと思います。でもそれはオーナーがかなり恵まれた生まれ育ちでしっかり教育を受けているのもあるんだろうなと。だって80代とは思えないぐらい先進的な考えを持ってるし柔軟なところがある人なんですもん。こういう人はどんなに環境が変わっても適応できるだけの力があるんだろうなあ。しかしそんな恵まれた人ばかりではないので、当然環境の変化に適応できない人がいます。

佐々木淳子さんというマンガ家がいるんですが、その代表作のひとつである「ブレーメン5」の冒頭に環境の変化に適応できない人達が登場します。簡単にそのエピソードを紹介しますね。

ブレーメン5(1) (フラワーコミックス)

ブレーメン5(1) (フラワーコミックス)

遠い未来の話。狭い、閉じられた空間で生活している人達がいました。その人達は科学者に「実験動物」として扱われていたんですが、本人達はそのことには全く気づいてません。物心ついたときからずっとそこで暮らしていたわけですから。与えられた環境に疑問すら持ってませんでした。しかしある日、外の世界から青年が侵入してきました。彼は「ここは科学者の実験場であなた達は実験動物として扱われている、外の世界に逃げよう」と言うのですが、彼について行く決心をしたのは自分が暮らす世界に前々から疑問を持っていた少女ひとりだけ。残りの人達は「怖い、何故外の世界に行かなければならないのか。ここにいればずっと○○様(科学者のことを彼らは神のように思っている)守ってもらえる」と拒絶します。

彼らを外の世界に連れ出すのはきっと簡単なことでしょう。抵抗する術すら知らないわけですから。しかし連れ出して「解放してあげられて良かった」と思うのは単なる自己満足です。彼らは外の世界で暮らすだけの知識なんて何もないのです。助け出したとしても、自分の足で立って暮らしていけるようにあらゆることを教えなければあっという間に死んでしまうでしょう。しかも外の世界で暮らすことを拒絶してるわけですから、それがどれだけ困難なことか。おそらく「元の場所に返してくれ」と恨まれるのが関の山です。

奴隷だって同じです。親切な主人に優しくしてもらってる奴隷は奴隷の立場から解放されることを望まない場合が多いのではないか。安定した生活を手放して自由になりたいと思う奴隷がどれほどいるんでしょうか?ロクに教育も受けてない奴隷が自由になったところで満足な収入を得られるような職に就けるわけもないし、生活が困窮するのは目に見えてます。

つまり環境の変化に、もっと言うならば自由があって選択肢の豊富な環境に適応するためにはしっかりした教育を受け、なおかつ生活に困らないだけの暮らしができていることが前提になってきます。貧困層に自由というエサを目の前にぶら下げたところで食べられやしないのです。選択肢の多い社会にすることは大変結構なことですが、選択しようがない人達を選択できるようにしてあげられないのなら、自由なんて高学歴だったり金持ちだったりの遊び道具にしかならないのでは、そう思ってます。